略歴
熊本商科大学に入学したが自ら経営者となり中退。その後の事業も廃業。そこから佐川急便にてにて5年間働き、当時の顧客に紹介され今のユニックスに入社。3年間派遣社員として働き、正社員、そして福島の本部長、取締役を経て、2023年9月に代表取締役に就任。現在は林業の六次産業化を目指し社内改革と仕組み化作りに力を入れている。
現在の仕事についた経緯
佐川急便時代のお客様からの紹介で、派遣社員として入社したことがきっかけです。昔からものつくりが好きであったことと、体力だけには自信があったことから、このツーバイフォー業界にのめり込んでいきました。
何もない更地からあっという間に建物が完成するツーバイフォー技術に圧倒されながらも、少しずつ勉強を重ね、工場パネル加工から現場建てまで出来るようになりました。その後はプレイヤーからマネジメント側へ移りましたが、試行錯誤を重ねるも、なかなか答えが出せない日々が続きました。
代表取締役に就任してからは、これまでの属人化した組織体制を仕組み化し、目標設定に対しての評価をすることが、組織運営に最も必要なことであると気付き、現在進行形で構築しています。
仕事へのこだわり
派遣社員から代表取締役に就任。というと何だかすごいなというイメージが沸きますが、本人はそれどころではありませんでした。
先代は創業者でもあり、木の事業以外に老人ホームの運営と経営、二か所の保育園の経営、外国人実習生受け入れ組合の理事長など、様々な分野で活躍されていた人物でした。その先代から2023年8月に突然社長に任命され、引継ぎがなされぬまま先代は天国へ旅立たれました。偲ぶ会の参列者は800名をゆうに超えるほどで、改めて先代の偉大さを痛感しました。
就任した9月末には、税理士から「月末の支払いができるかどうか…。できたとしても翌15日の社員の給与の支払いができない可能性がある。」と連絡が入るなど、波乱の幕開けとなりました。
そんな中でも、かねてより考えていた会社に必ず必要なこと。それが「組織運営の構築」と「評価制度の確立」の二軸です。これから3年・5年・10年と企業を繁栄・成長・継続していくために今から実践し行動に移さねばならない。その想いを全社員に伝え方向性を示しました。
勿論、気に食わずに退職した社員もいました。評価制度も簡単にはいかず、現在テストランにて運営中です。あと半年から1年くらいは時間が必要ですが、一旦形さえ作ってしまえば後は時代背景によって内容の変更見直しだけで半永久的に活用出来るような制度をつくりたいと考えています。私たちの次の世代のためにです。
現代の若い世代が会社に求めるものは、多くの休日・就労時間の短縮・そして地球環境問題への取り組みです。私たちはその地球環境問題に大きく貢献すべく、『林業の六次産業化に貢献する』をスローガンに掲げています。山から伐採された木で製材を行い、国産材を活用しながら、森林環境保全に取り組んでいます。ツーバイフォー事業も今は40%程の国産材を利用しながら住宅パネルを製造し、炭素貯蔵することで地球温暖化緩和に微力ながら貢献しています。
また、各工場から必ず排出される端材は、チップ材として木質バイオマスにて再活用することで新しいエネルギーを生み出しています。これは日本のエネルギー自給率の低さや化石燃料への依存など供給不安材料の解消にも役立っています。
最終的に自社で森林伐採から植林まで一貫して行うことが出来れば、林業の六次産業化の完成となるのですが、そこまでの道のりは険しく遠いです。だからこそ、その極みを目指していくことに意義があります。
若者へのメッセージ
現在はすごく働きやすい日本になってると感じます。それが故に、厳しさの足りない自由な時代にもなっています。これからは自分自身で厳しくしていかないとなりません。上司や先輩が厳しく叱ってあげることが出来ないためです。
働く時間より休日やプライベートの時間がどんどん増えていき、仕事をお金を稼ぐための手段として考えている方にとっては、過ごしやすい時代になってきました。しかし、人生のどこかできつい思い、大変な思いを感じる期間や時間が少なければ、これから先の成長は難しくなるでしょう。
『働き方改革』で自由な時間を多くとることはこれからの日本では当たり前で、重要なことは『休み方改革』だと思います。土日休みでも、土曜日は活発に活動し休みを謳歌して、日曜日は明日からの仕事のパフォーマンスを上げるための静かな休日とする。読書をしたり、セミナーに足を運んだり、瞑想やヨガなどをしたり…。自分に投資することで、また次の一週間の仕事への意欲をかきたてる日を設けることは、これからの時代、非常に重要になってくると考えています。
チャンスとピンチは表裏一体とよく言いますが、私もまさにその通りだと考えており、何の問題も課題もない、すべて順調にいくことなどまずありえません。もし何の問題も課題もないとすれば、自分が出来る範囲でしか動いていない証拠であり、全く成長しません。まずは、行動することです。物事は考えていても1mmも進みません。思った通りには必ずなりません。行動した通りにしかならないということです。ここからは私自身の経験に基づいて少し書かせていただきます。
“このままではいけない”、“このままで終わってたまるか”随分、前からそう思っていました。“生まれ変わりたい”その想いを実現するため、“生まれ変わる”に気持ちを切り替えて行動を起こすと決め、先ずは早起きから始めました。
通常、朝6時20分に起床していましたが、6時、5時半、5時、4時半と3週間ごとに設定を早くしていきました。なぜ3週間ごとの設定かというと、3週間で人間の全細胞は生まれ変わるからです。3週間努力して何かに挑戦してみれば、必ず良い形での結果が出ます。早起き自体を非常に苦しい思いをしながらやり続け、継続するために一生懸命に全力で取り組んでやっとの思いで習慣化に成功しましたが、並大抵の努力では成し得なかったことは言うまでもありません。現在でも、早いときは3時半、遅くても4時55分には起床しています。
休みの日は、やる事も多く、早い時には2時半に起床して活動しています。最近では、休みだからといって6時台に起きるなんて時間が勿体ないと感じるようになりました。しかし、ただ早く起きてスマートフォンを眺めていても時間の無駄で、なんの成長にも繋がりません。
私は起きてからまず洗面台に行き、体重計に乗り、体重をカレンダーに記録し、何時に起床したかまで記録しています。これを毎日やることで自分の体重の管理もすることができるのです。
次に30分間のストレッチヨガを毎日行います。どんなにきつくても、どんなに体調が悪くても必ずやると決めています。ちなみにコロナに感染した時も時短ではありますがやっていました。どうしても気持ちが乗らない時や体調不良の時は、時間を短縮してでも、まずはやってみます。行動することが非常に重要だと考えているからです。
人間やってみれば意外とやる気が出るものです。毎日行うことで習慣化され、やらないと気持ち悪い状態にまでもっていくことができれば、ひとまず成功だと言っても良いでしょう。
私は腰に持病があり、コルセットを装着しないと普段から歩くことすらできなかったのですが、現在ではコルセットなしで普通に生活できています。現在のこの環境に大変感謝しながら、今でもモーニングヨガをルーティンとして欠かさず行っており、7年目に突入しています。
ストレッチヨガが終わる頃には朝刊が届くので、コーヒーを入れて新聞を取りに外に出ます。その際、東側の太陽(冬は真っ暗ですが)に向かって、毎日の感謝の気持ちを伝え、本日の立志を約束するようにしています。お願いではなく、今日はこうやる!という感じです。感謝の心と立志、これが非常に重要だと考えています。
その後は、コーヒーを飲みながら新聞に目を通し、6時から出勤準備をして6時半頃には出社しています。夏季は太陽が早く昇るので3時半に起床して、妻と海岸通りを海を眺めながら1時間ほど散歩することもあります。30分のストレッチヨガの後、4時から5時までの1時間、夏の太陽の光を浴びながら歩くと本当に気持ちが良く、早起きした人間にしか味わうことができない心地よさを感じます。何て清々しい気持ちだろうか…。満足感に満たされ、心地良い空間に優越感を覚えます。
時間と心に余裕ができたことで、読書の時間を多く取ることができるようになり、今でも月に最低4冊程度、本を読むように心掛けています。日本では、学生時代を終え社会人になると毎月読書している人は社会人全体の約6%しかおらず、その6%のうち5%は経営者だといいます。毎月、読書をすることで100人に一人になれるのであれば、これはやるしかないと考え、早起きを始めた時から継続して今では読書もルーティンの一つとなっています。
100人に一人を10項目達成できれば10,000人に一人の人間になれます。10,000分の1とは、つまり0.01%の人間になるということで、非常に価値のある特別な存在であることを意味します。私もこのポジションを狙うべく、常に行動に移しながら現在も努力を続けているのです。
このように、“変わりたい”ではいつまで経っても変らない、思っているだけでは1mmも進まない。行動したことだけに結果はついてくるのもであると、私は確信しています。
